宅建業許可申請時の添付書類について_決算書編

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宅建業許可申請時の添付書類について_決算書編

宅建業許可・免許申請をするに当たっては様々な添付書類を提出する必要がございます。今回は、その添付書類のなかでも重要でありかつ悩ましい添付書類である決算書について解説させていただきます。
新規法人立ち上げと同時に宅建業を始められるお客様は特に問題はございませんが、既存法人様で決算を1度でも行っている場合には、決算書の内容によっては申請が通らない場合がございます。

添付する決算書について

宅建業許可・免許申請をする際に添付する決算書については、新規で設立又は決算を1度もむかえていない法人様とそうでない法人様(決算を1度でも行っている)で異なります。
新規で設立又は決算を1度もむかえていない法人様については、開始貸借対照表を添付します。決算書を添付することは当然できませんので、その代わりとして添付するものです。内容的には資本金の額のみの記載となりますので非常に簡略化された書面です。
対して、決算を1度でも行っている法人様については決算書が作成されているはずですので、その決算書直近1期分を添付いたします。具体的には、決算書の表紙・貸借対照表及び損益計算書となります。確定申告時に税務署に提出したすべての書類が必要となる訳ではございません。但し、決算書の内容によっては別途決算内容を詳しく確認するための内訳書の添付を求められる場合もあります。

決算書を提出する場合の抽象的注意事項

開始貸借対照表を提出する場合は、特に問題になることはございません。
注意しなければならないのは、決算書を提出する場合です
そもそも決算書をなぜ提出しなければならないのか?
それは、宅建業の許可・免許を取得する前に宅建業を営んでいないかどうかを審査官が確認するためなのです。要は、無免許で宅建業を行っていないかどうか。もし、行っていたのであれば、そのような法人に宅建業の許可・免許をあげることはできません!ということです。
となると、決算書で注意しなければならないことは?
そうです、決算書上で宅建業を営んでいる形跡があるかどうか、そのような勘定科目がないかどうかということになります。

決算書を提出する場合の具体的注意事項

まず、具体的に注意すべき事項を確認する前提として、そもそも宅建業とは?を確認しておきましょう。
「宅建免許を要する宅地建物取引業とは、①宅地または建物について自ら売買又は交換することを業として行うこと②宅地又は建物について他人が売買、交換又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介することを業として行うこと。すなわち、不特定多数の人を相手として、上記行為を反復又は継続して行い、社会通念上事業の遂行とみることができる程度のもの」と東京都の宅地建物取引業免許申請の手引に記載がございます。
ここで、よく弊所にお問い合わせいただくのが、年に1、2回位なら反復又は継続に当たらないでしょ?です。
確かに「反復又は継続」という文言には当たらないかもしれませんが、宅建免許申請上はアウトです。
申請時に提出する決算書は直近1年分ですし、決算書上から読み取れない他の取引が行われているかもしれないと審査官に疑念を抱かせてしまいますよね。
つまり宅建業の許可・免許申請が無事下りるかどうかは、審査官にこの法人であれば許可・免許を出しても大丈夫という心証及び具体的事実次第なのです
少し脱線してしまいましたが、次に決算書を提出する場合の具体的注意事項をみていきましょう。
注意しなければならない勘定科目は、固定資産売却益又は損・不動産販売収入・雑収入等です(一例です)。
自己物件を売却する際、固定資産の売却として処理していれば問題ございませんが、売上や雑収入として計上している場合はアウトです。
次に、雑収入は本業以外の収入ということですが、決算書上は内容がみえないため、金額がある程度ある場合には、審査官から必ずと言っていいほど確認が入ります。
また、不動産仲介を実際は行っており、それを別の科目(コンサルティング料や広告収入など)に置き換えて計上している場合などもアウトとなります。つまり、不動産仲介業を本当に行っていないとしてもこのような科目は審査官のチェックの対象になってしまうということです。

まとめ

以上、まとめますと、宅建業許可・免許が下りる前段階で不動産業を営んでいないこと、たとえ宅建業を営んでいないとしても、営んでいるであろうと審査官に思われてしまうような計上の仕方をしないことが重要です。
宅建業を実際に営んでしまっていた場合には、その法人では宅建業許可・免許を取得することは不可能となってしまいますが実際は営んでいないのに決算書上から審査官に疑念を抱かれてしまったような場合は、理由書の提出や修正申告等により申請を受理してもらうことが可能ですので、ご自身で申請をされていてこのような問題にぶつかってしまった場合は弊所に遠慮なくご相談下さい。
また、うちの決算書大丈夫かな?問題ない?とご不安な方も、弊所にて内容を確認させていただき、都道府県庁とお客様の間に入って内容の精査、調整も行わせていただきますので弊所に遠慮なくご相談下さい。
これから宅建業を営んでいこうとするお客様のお力になれるよう、多数の経験を元に全力で対応させていただきます。
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