宅建業の免許取得を行政書士に頼むか?自分でやるか?
宅建業免許・許可に限らず、許認可申請や相続・遺言作成等その他書類作成業務又は会計業務を行政書士に依頼するか?自分でやるか?悩まれる方もいるかと存じます。誤解を怖れずに言ってしまうと、全ての士業といわれる職業の仕事は自分でやろうと思えばできてしまいます。現代ではネットで調べたり、手続きをする行政機関に問い合わせをすれば何とかなってしまうかもしれまんからね。
では、なぜ行政書士という国家資格があるのか?行政書士に依頼するメリットだけでなくデメリットも含めて解説させていただきます。
行政書士制度の成立ちと意義
まずは、そもそも行政書士って?という疑問について解説いたします。
行政書士という国家資格は、1872年(明治5年)の太政官達「司法職務定制」による代書人制度を前身とします。よく「代書屋」と呼ばれるのはこの代書人制度からきているのかもしれませんね。
この代書人制度において、市町村役場、警察署等に提出する書類の作成を業とする者は、行政代書人として活動を行っておりました。その後何度かの規則改廃の後、住民の便益に向け法制化を求める社会の動きを受け1951年(昭和26年)に行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続きの円滑な実施に寄与し、もって国民の利便に資することを目的(行政書士法第1条)とした行政書士法が成立し、同年施行されました。
ここに行政書士という国家資格が誕生したという訳です。その後、数次の法改正を経て現在に至っています。
行政書士とは、行政に関する手続きの円滑な実施に寄与し、もって国民の利便に資することを目的とする、つまり行政に対する様々で複雑な(煩雑な)手続きを国民の代わりに行い、国民の社会活動の手助けをするために存在するいわば国民に最も近い存在の法律家ということになります。
行政書士の業務
次に、行政書士って何ができるの?という疑問について解説していきます。
①「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市区町村、警察署等)に提出する書類の作成、相談やこれらを提出する手続きの代理を業とすることができます。その書類のほとんどが許認可申請に関するもので、その数は1万種類を超えるとも言われております。
また、許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続きその他意見陳述のための手続きにおいて当該官公署に対してする行為について、高い専門性を持つ行政書士が代理することができます。
②「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士は、「権利義務に関する書類」の作成、代理及び相談を業とすることができます。
「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類のことです。
「権利義務に関する書類」の具体例を挙げますと、遺産分割協議書、各種契約書(贈与、売買、消費貸借、賃貸借、使用貸借、雇傭、和解、請負、寄託等)、念書、示談書、内容証明、告訴状、告発状、上申書、請願書、嘆願書、陳情書、定款等がございます。
③「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士は、「事実証明に関する書類」の作成、代理及び相談を業とすることができます。
「事実証明に関する書類」とは、社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書のことです。
「事実証明に関する書類」の具体例を挙げますと、各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、各議事録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表、申述書等がございます。
④その他特定業務
その他特定業務として、行政書士資格登録者の中でも特に業とする事を認められた行政書士にのみ行える業務がございます。
・地方入国管理局長に届出を行った申請取次行政書士が行う出入国管理及び難民認定法に規定する申請に関し、申請書、資料及び書類の提出並びに書類の提示を行う業務
・行政書士法第1条の3第2項に規定する、日本行政書士連合会会則に定める研修を修了した特定行政書士が行う許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続きについて代理し、及びその手続きについて官公署に提出する書類を作成する業務(特定行政書士についてはこちら➡特定行政書士を取得しました!!)
上記のように行政書士が行える業務は幅広く、1人の行政書士が上記すべてをカバーするのは不可能ですので、各行政書士がそれぞれ専門分野を持ち、国民の利便に資することを目的として活動をしております。
※但し、他の法律において制限されているものについては業務を行うことはできません。
行政書士に依頼するメリットとデメリット
では、今回のテーマの本題に踏み込みます。
前段でご紹介した各種業務を行政書士に依頼すべきか?自分でやってしまうか?
それは、お客様の置かれている状況次第だと私は考えます。書類作成や手続きに時間を掛ける余裕のある方、できるだけお金を節約したい方、ある程度の法律知識のある方でそこまで複雑な書類作成や手続きでないのであれば、ご自身で行うという選択肢でも良いかと存じます。
しかし、その場合でもネットでの情報だけを鵜呑みにせず、ご自身でも関係箇所の法律を学び、後で後悔することのないようしっかり対策をして行うことをお勧めいたします。
行政書士は国家資格を通過し、自身の各専門分野の実務の研鑽や経験を積んでおります。そのノウハウのすべてをネット上に挙げることはしませんし、またできません。受任した各顧客の情報漏洩にもなりかねませんし、同じ専門分野の行政書士に自身のノウハウを公にはできませんからね。
最後に、行政書士に依頼するメリット、デメリットを表にまとめてみます。
メリット | デメリット |
・時間の短縮になる ・行政機関との手続きを円滑に進めてもらえる ・後々のトラブルを予防できる ・行政機関や個人間のハブとなり精神的負担を軽減できる ・行いたい書類作成や手続きに関連して様々なアドバイスをもらえる | ・費用がかかる ・各行政書士事務所により業務の差異がでる ・他士業との連携が必要な場合に業務の引き継ぎ問題が起きる |
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、書類の作成や手続きを行政書士に依頼するべきか?自分でやるか?について解説させていただきました。行政書士として、絶対行政書士に依頼すべきですと言いたいところですが、お客様にとっての最適解はお客様の中にあるかと存じますので、どうするべきか迷っていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
弊所では、前段落のデメリットを少しでも解消するため、無駄な出費がでないよう費用はできる限り明確にし・様々な業務に精通することを目指し・他士業とのグループ化によるワンストップサービスを展開しております。
また、その他特定業務をするために必要な申請取次行政書士・特定行政書士を有しております。
行政書士に依頼する場合に、弊所を選んでいただけるよう弊所一丸となって研鑽及びサービスの向上に努めてまいります。
(これから新規で宅建業を始めたいお客様はこちら➡宅建業許可申請)
(既に宅建業を営んでいて変更や更新のお客様はこちら➡宅建業免許の更新手続きと有効期限について!!)
(相続・遺言でお悩みのお客様はこちら➡相 続・遺 言)
(その他各種業務についてはこちら➡各 種 業 務)